イラク共和国
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029 2023/11/19(日) 03:53:35 ID:Xooq8DTAhs
バグダード
アッバース朝、第2代カリフのマンスールは、イラク平原のティグリス川西岸に、762年に新都建設を開始し、766年に完成させた。この新都は「平安の都」(マディーナ=アッサーム)と名付けられ、その中心部には、円形の城壁に囲まれ、緑色のドームを持つ宮殿が建てられていた。バグダードは8世紀から9世紀にかけてハールーン=アッラシード(第5代カリフ)のころ最も繁栄し、人口200万を数えた。その子マームーン(第7代カリフ)は830年ごろ、父の建設したバクダードのギリシア語翻訳機関を発展させ、知恵の館(バイト=アル=ヒクマ)を完成させた。それ以後も、政治的機能以外にもカリフの居城のある宗教的機能をもち、さらにイスラーム文明の文化の中心地として栄えた。
古典古代のギリシアの学問は、ヘレニズム時代を経て、イスラーム世界に伝えられ、8~9世紀にアッバース朝の都バグダードの「知恵の館」で組織的にギリシア語からアラビア語への翻訳が行われた。その間、ヨーロッパ中世社会ではギリシア文化と科学、哲学などの学問は忘れ去られていた。イスラーム世界と接するイベリア半島や南イタリアで、イスラーム教徒からすぐれた技術に刺激されたヨーロッパのキリスト教徒は、12~13世紀にトレドの翻訳学校などで盛んにアラビア語訳のギリシア文献を、ラテン語訳することが行われるようになった。このように、古代ギリシア文化が中世ヨーロッパに知られたのは、イスラーム世界を経てのことであったことは重要である。→12世紀ルネサンス
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